「海ノ民話のまちプロジェクト」は、海と深く関わりを持つ日本という国の
「海との関わり」と「地域の誇り」を、子供たちに伝え語り継ぐプロジェクトです。
海ノ民話のまちプロジェクトは、日本中に残された海にまつわる民話を発掘し、
その民話のストーリーとその民話に込められた「想い」「警鐘」「教訓」を、
親しみやすいアニメーションとして映像化してきました。
このたび、「海ノ民話のまち」に認定された新潟県糸魚川市を舞台に制作された
アニメ「サザエと弁天岩の女神さま」が完成し、米田徹市長にアニメの完成報告をしました。
【新潟県糸魚川市 海ノ民話「サザエと弁天岩の女神さま」あらすじ】
糸魚川を北にのぼった能生の村に平助どんがおった。
畑仕事を終えて漁のため海へ出ようとしたときのこと、
突き出した岩の間にサザエが挟まっているのを見つけ拾ってみると、
まだ子供だったので海へ返してやった。
その後海も穏やかだったので、平助どんは太郎兵衛どんとそれぞれ小舟で漁に出た。
すると、すぐに山の方から大風が吹いてきて、二人の小舟をみるみる沖へ運んでいく。
漕いでも漕いでも少しも浜に近づかない。すると黒い雲が空を覆い、大シケとなった。
荒波が舟の底にぶつかって壊れ、平助どんは宙にはね飛ばされ海に落ちそうになり、瞬間目をつむる。
いつまでも海に落ちないので恐る恐る目を開けてみると、
いつのまにか平らな岩の上に座っていた。あたりを見渡すと波は高くうねっている。
ただ、平助どんの周りだけは静かだった。
船の残骸にしがみついていた太郎兵衛どんを助けると、二人を乗せたこの岩は、浜辺を目指して進みはじめる。
浜辺に近づくと海が眩しく光輝き、女神が姿を表した。
そして、言うことには「わたしはこの海を守る神。
お前が助けたこの子(サザエ)のたのみでお前を助けてしんぜた」と言って姿を消した。
平助どんを運んだ不思議な岩は今も新潟の能生にあり、人々から“上り岩”と呼ばれている。