9月6日(土)、新潟市西区の新川漁港で「日本海ゆうひ花火大会2025」が開催され、
昼の夏祭りイベントと合わせて15,000人もの来場者でにぎわいました。
今年で6回を数える全国的にも珍しい漁港での打ち上げ花火です。


◎9月の夜空を彩った日本海ゆうひ花火
◎50種の屋台でにぎわった「新川漁港夏祭り」
春の「大漁祭」や夏の「花火大会」などで知られる新川漁港ですが、
実際に、この漁港でどんな魚が水揚げされるか知っている人は少ないかもしれません。

◎新川漁港
新潟市は、市が管理する新川(しんかわ)漁港の活性化策を議論するため
昨年8月「新川漁港活性化協議会」を設立。
この漁港を拠点とする新潟漁業協同組合五十嵐浜(いからしはま)支所や地元企業、
団体とともに「漁港を拠点とした地域の活性化」や「交流人口の拡大」、
「漁業の振興」などを目指し、先進地の視察や、
地引網イベントの開催を通じて実証活動を進めてきました。
次なる展開として先日、2人のアドバイザーが3日間に渡って漁港を訪れ、
漁業者や地元の釣り人と意見交換を行いました。
◎五十嵐浜支所で行われたアドバイザーとの意見交換(8/30~9/1)
交流人口拡大の一案に挙がるのが、「釣り場の開放」です。
新川漁港では、釣り人の転落事故や漁業者とのトラブルをきっかけに
釣りが禁止されていますが、以前から開放を求める声は多く、
今回、静岡県西伊豆町で漁業者と釣り人の共存を図るアプリを開発した
(株)ウミゴーの國村大喜(くにむらひろき)代表をアドバイザーに招聘しました。

◎アプリで地域を支えたいと話す(株)ウミゴー國村代表
西伊豆町を振り出しにスタートした「海釣りGO!!」は、
釣り人の管理や料金徴収を兼ねたアプリで、
現在、静岡県内2つの漁港のほか兵庫県で運用されています。
利用者は1時間あたり300円(大人※子ども無料)の利用料を支払い、
それらは釣り場の維持管理費などに使われます。
家族連れが安全に楽しめる釣り場となり得るか、
五十嵐浜支所の組合員の案内で、國村代表や地元の釣り愛好会が、
海へ延びる突堤を巡りながら施設の安全性やどんな魚が釣れるスポットなのかを確認していきます。



◎テスト釣行の釣果はヒイラギ、ハゼなど(確認後リリースしました)
漁港周辺との連携も大きな目的ですが、
新川漁港で水揚げされる水産物の多くが個人への浜売り(地場売り)のため、
何が水揚げされているかを知る人は少ない状況です。
この課題には、50年にわたって全国の水産物や食文化を研究して
ウェブや書籍で発信する「ぼうずコンニャク」こと、
藤原昌高氏をアドバイザーに迎え、地元商店街の飲食店などとの連携を狙います。
◎浜売りのワタリガニを観察する藤原氏
この日は、漁港につながる五十嵐浜(いからしはま)を歩き、浅瀬で海洋生物採集を行いました。
組合員のサポートで波打ち際に向かった藤原氏は、
ひざまで海に浸かりながら魚やカニ、貝類を次々と記録、
遠浅の海岸と「海遊び体験」は大人も魅了する観光資源になり得るとのアイデアも出ました。


◎フジノハナガイ

◎浅瀬で捕れたクロウシノシタ、キンセンガニ


◎9/6「新川漁港夏祭り」に出展、早朝の漁で獲れた魚のタッチプールが子どもたちに人気でした。
協議会では、漁港や漁業に親しみを持ってもらうため、
新川漁港で獲れるお魚図鑑の制作なども計画しています。

◎ぼうずコンニャクの著作